北辰会ケアコンセプトとは
医療法人北辰会は、平成18年よりFWBCフィンランド社と業務提携し、日本で3番目のフィンランド健康福祉センタープロジェクト(FWBCプロジェクト)としてフィンランドケアコンセプトの導入に取り組んでいます。
自分が歳をとったとき、できるだけ長い間、健康で自立した幸せな生活を送りたい、と願うと思います。今高齢を迎えている人がそんな生活を送れるよう、高齢者本位のスタンスを忘れずに、サービスの提供をしていきたいと考えるのがフィンランドのケアコンセプトです。
フィンランドケアコンセプトの基本は、フィンランド社会保健省の提言に基づいています。フィンランドは30年ほど前、現在の日本と同じ状況下にありました。つまり、施設介護を中心として進めてきた高齢者介護システムから、在宅介護への転換という、構造改革を始めることになったのです。当時のフィンランドは、医療の必要でない高齢者が病床を占め、急性期の患者が入院できないという状況に陥り、同時に高齢者医療にかかる費用もかさんでいました。そこで、医療の不要な高齢者を在宅へ、という発想が生まれました。この30年間、紆余曲折もありましたが、現在は北欧福祉国家の一員として、高齢者介護においても秀でたシステムを確立しています。そこで、福祉先進国家として、フィンランド型高齢者介護システムを世界に発信しようと誕生したのがFWBC(フィンランド健康福祉センター)です。
医療法人北辰会では、FCC(フィンランドケアコンセプト)教育推進会議を立ち上げ、フィンランドと日本の「良いところ」を融合し、実践させるための検討を続けてきました。現在では、北辰会ケアコンセプトを構築し、法人内での勉強会を続け、ケアの質、効率の向上に積極的に取り組んでいます。
フィンランドケアコンセプトは、建築においても活かされています。西条市民病院には、玄関を入ると広いエントランスホールやカフェテリアがあり、利用者が社会性を維持しながら療養ができる癒しの空間として、また、健康増進の発信地として、地域への講習会や、各種イベントの開催も予定しています。介護老人保健施設まなべでは、ユニット型が採用され、各ユニットに中庭が設けられています。両施設とも、病室・居室は全室個室(トイレ付き)です。
北辰会ケアコンセプト 13の柱
- ① 人間としての尊厳
- ② 自己決定権・選択の自由
- ③ 自主性
- ④ 活動性
- ⑤ 安全性
- ⑥ シームレスなサービス
- ⑦ 多職種によるチームワーク
- ⑧ チームカンファレンス
- ⑨ 機能評価(評価ツール)
- ⑩ リハビリテイティブケア
- ⑪ 社会性の維持
- ⑫ 異世代とのつながり
- ⑬ 予防ケア